「体幹」とは胴体の部分を指し、肋骨・背骨・骨盤などから構成されています。
体幹を構成する筋肉には、腹筋や背筋など、姿勢に関係するものが多くあり、これらの筋肉がしっかり働かないと、良い姿勢や安定した動作が行えません。
今回は、体幹を鍛える健康的効果を解説し、自宅でできるトレーニングと鍛え方についてお話しします。
体幹が大切な理由
体幹がなぜ大切かというと、力の伝達に大切な役割を担っているためです。
立ったり歩いたりする動作では、足が地面から受け取った力は体幹に伝わり、それをまた地面に返したり、それらの力を分散させて動きを完成させます。
四肢(両手足)は、体幹からの力の伝達に大切な役割を担っていますが、体幹が安定していなければうまく機能しません。
体幹も四肢もお互いが持ちつ持たれつの大切な関係で、体幹はそれらの八ブ的な役割を担っています。
長所は他にもたくさんあり
「体が引き締まりぼっこりおなか解消へ」
「エネルギーロスを減らして疲れにくい体をつくる」
「バランスが良くなり転倒しにくくなる」
「肩こりや腰痛が減る」
「心肺機能が向上し呼吸が深くなることで、睡眠の質が向上する」
などが挙げられます。
新しい自分づくりを始めてみましょう!
体幹を鍛えるストレッチ
体幹を鍛える前にストレッチを行います。
人間は常に重力の影響を受けており、この重力に対して一定の姿勢を保つために、体幹はいつも緊張しています。
体幹筋を鍛える前に、緊張して血行が悪くなっている筋肉をしっかり伸ばしてあげましよう。
おなか伸ばし体操
うつぶせになり、手のひらから肘までを床に着けます。
両肘を少しずつ立てていき、ゆっくり痛みのないように上体を反らして腹筋を伸ばします。
これを10秒保持し、1日3回程度行います。
背中丸め体操
あおむけに寝て、両手で膝を抱きかかえるようにして腰を曲げます。
息を吐きながら膝を胸に近づけ、お尻を持ち上げます。
腰部の筋肉が伸張されているのを感じながら行います。
10秒保持し、5~10回繰り返します。
※青色の線・・・伸びを感じる筋肉
※無理のない範囲で行ってください
体の側方にある腹横筋、内・外腹斜筋は、体を横に傾けたり、ねじったりする働きがあります。
これらの筋肉は、重力に対して安定した姿勢を保つのに重要な働きをします。
からだ横伸ばし体操
足を肩幅に開いて、背筋を伸ばして立ちます。
両手を上げ、体を傾ける側の手で反対側の手首をつかんで、ゆっくり体を傾けます。
からだねじり体操
足を肩幅に開いて、背筋を伸ばして立ちます。
目の前で両手を組みます。
頭→肩(腕)→背中の順でゆっくり体をねじっていきます。
※どちらの体操も、息を吐きながら10秒間保持します。
反対側も同様に行います。
※痛みのない範囲でゆっくりと行ってください。
体幹を鍛えるメリットとは
では、体幹を鍛えるとどのようなメリットがあるのでしょうか?
腰痛や尿漏れ・下腹部太り対策
体幹を鍛えることによって、体の中の内臓の位置が安定してきます。
女性は出産などで骨盤が緩み、ゆがみやすくなりますが、それを鍛えることによって、産後に悩まされる腰痛や尿漏れ、さらに下腹部が出てしまうことを防ぐことができます。
正しい姿勢を保てると疲れにくくなり、体がゆがまないことで凝りやケガの予防にもなります。
基礎体力と集中力の向上
体幹を鍛えることは、大人だけでなく子どもにとっても大きな利点があります。
体幹を鍛えると基礎体力が付き、体の土台をしっかり作ることができます。
新しいスポーツを始める前に体幹を鍛えることで、手足の反応スピードが上がり、転びそうなときの1歩が自然に出るようになって、けがが少なくなります。
また、体幹がしっかりしてくると、呼吸や姿勢が正しく維持され、集中力も向上してくるので勉強もはかどり、文武両道が期待できます。
免疫力向上で健康な体に
体幹を鍛えることは高齢者にもお勧めです。
体幹を鍛えると免疫力が上がり、健康的な体をつくるとともに、尿漏れ予防や腰痛予防にも効果があります。
また、体のこわばりを軽減して柔軟性を向上させ、姿勢やバランス感覚がよくなり転びにくくなります。
転倒による骨折は、寝たきりを引き起こす原因になるので、体幹を鍛えることは重要です。
ぽっこりお腹・たるんだお腹対策
背中には、背筋を含め比較的大きい筋肉が集まっているので、背筋を鍛えると基礎代謝が上がり、引き締まった背中をつくることができます。
また、背筋は上体を支える働きがあり、鍛えると美しい姿勢をつくる効果もあります。
背筋の衰えは猫背を招き、その猫背によってぽっこりおなかやたるんだおなかをつくってしまう恐れがあるので、背筋をしっかり鍛えていきましょう。
体幹の鍛え方「トレーニング方法」
ここでは、体幹の鍛え方・トレーニング方法についてお話しします。
腹直筋運動
①あおむけに寝て、両膝を立てます。骨盤を床に押し付け、両腕は軽く開いておきます。
②息をゆっくり吐きながら、おなかを中心に丸めていくイメージで上体を起こして一旦静止し、3秒間保持します。
※頭だけを起こさずに肩甲骨を浮かせるまでしっかりと上体を持ち上げます。
③ゆっくりと元の体勢に戻します。休みを入れながら5回行います。
※息を止めずに無理のない範囲で行ってください。
うつぶせお尻上げ運動
①うつぶせに寝て、肩の真下に両肘を付き、膝は骨盤より少し広めに開いて付きます。
②息を吐きながらゆっくりとおなか(骨盤)を持ち上げます。
腰を上げ過ぎたり、体が反らないように腹筋に力を入れて、両肘と両膝の4点でしっかりと体を支えます。
③3秒間保持したらゆっくりと元の体勢に戻ります。これを3セット行います。
※ 無理のない範囲で行ってください
横向きお尻上げ運動
①床に横向きに寝て、肩の下の位置に肘を付きます。両膝は90度程度に曲げ、反対の手は体側に置きます。
②その体勢から、ゆっくりと腰を浮かし、頭から膝までが真っすぐになるようにします。
③下側の脇腹が固くなるのを意識しながら3秒間保持し、その後ゆっくりと元の体勢に戻します。左右3セットずつ行います。
※動作中に痛みがある時は無理をせず様子を見て行いましょう。
※息を止めずに行ってください
あおむけお尻上げ運動
①あおむけになり、両膝を立て、腕は軽く開いて床に付けます。
②息を吐きながらゆっくりとお尻を持ち上げて、おなか側と背中側の筋肉で体を支えながら、1本の棒のように保持します。
③3秒間保持した後、元の体勢にゆっくり戻します。
これを繰り返し3セット行います。
※体を反らし過ぎると、腰を痛める原因になるので注意しましょう。
お風呂でのストレッチについてはこちらもご覧ください
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