野菜をきちんと食べていますか?
緑黄色野菜を多くとる人に慢性萎縮性胃炎の少ないことが、国立がんセンター研究所の研究グループにより確かめられ、注目されています。
今回は、「緑黄色野菜を多く食べる人は胃癌になりにくい!」というお話です。
胃炎は胃癌になりやすい!
慢性萎縮性胃炎とは
慢性胃炎の一つで、炎症をくり返しているうちに、胃粘膜が萎縮してくる状態のものをいいます。
中高年ではめずらしい病気ではなく
四十代、五十代の人を調べると、20~30%の確率で見つかるといいます。
そのため、胃粘膜の老化現象ともみなされています。
しかも、慢性萎縮性胃炎になったからといって、特別な症状があるわけではありません。
では、なぜこの病気を防ぐことに関心が集まっているかというと
慢性萎縮性胃炎の人は、胃癌になりやすいことがわかっているからです。
慢性萎縮性胃炎と診断された人たちは
正常な胃粘膜の人に比べて
胃癌を発生する危険度は5.7倍も高いと報告されています。
また、日本でも胃癌の多い地域と少ない地域があるのですが、多い地域には慢性萎縮性胃炎も多く、少ない地域は慢性萎縮性胃炎は少ないことが確かめられています。
慢性萎縮性胃炎は
内視鏡を使わなくても、胃粘膜から分泌される胃液である、ペプシンのもとになる物質の、ペプシノーゲンの血液中の濃度を調べれば、判定することができます。
調査の結果
胃癌も慢性萎縮性胃炎も
ともに食事と関係の深い病気だと判明しています。
まず、35種類の食品の
摂取頻度と慢性萎縮性胃炎の発症頻度とを比較してみると、
興味深い関連を示したのが冒頭でお話しした緑黄色野菜だというのです。
緑黄色野菜とは、
ニンジン、カボチャ、ホウレンソウなどの、βカロチンという色素を多く含む、色の濃い野菜のことです。
βカロチンが胃癌、胃炎を抑える可能性がある
緑黄色野菜を
週一回未満しか摂取しない人は26%が慢性萎縮性胃炎であったのに対して、毎日食べる人は9%にすぎません。
いっぽう、
βカロチンとともに、その仲間の色素であるαカロチン、リコペン、ルティン、ゼアキサンチン、さらにビタミンA、C、Eなどの血液中の濃度も同様に比較してみると、βカロチンのみに、慢性萎縮性胃炎とのハッキリとした相関関係が認められたと検査結果がでています。
つまり
βカロチンの血中濃度が高くなればなるほど、慢性萎縮性胃炎も少なかったのです。
この結果から二つの可能性を指摘できます。
一つは、
緑黄色野菜に多く含まれるβカロチンが、慢性萎縮胃炎の発症やその進展を抑制しているかもしれないということ。
もう一つは、
緑黄色野菜に含まれるべつの物質が、慢性萎縮性胃炎の発症や、その進展を抑制している可能性です。
その未検査の物質は当然ながら、緑黄色野菜を多くとる人、つまり、βカロチンの摂取が多い人はたくさんとっていると解釈することもできるわけです。
もし前者であれば
βカロチンが胃粘膜の炎症反応において
発生する活性酸素(攻撃性の強い酸素分子。さまざまな病気に関連があるとして注目されている)を除去し、炎症が進むのを抑制することが考えられます。
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βカロチンの効果についてはこちらをご覧ください。
おわりに
日本人の癌の中で、これまで死亡率が高いのは胃癌・肺癌です。
そのため、まだまだ胃癌は、日本人に多い癌であることに変わりはありません。
癌(がん)予防・ガン対策についてこちらをご覧ください。
βカロチンの摂取と
慢性萎縮性胃炎や胃癌との関係が
明確に明らかになっているとは言い難いところですが、前述した結果を見るとたくさん体に取り入れても、体に悪いものは一切含まれていなく、むしろ健康体になると考えられます。
癌(がん)予防・ガン対策についてこちらをご覧ください。
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