「イヌトウキ」という植物を知っているだろうか?
「イヌトウキ」とは、“神の草”という異名を持つ薬用植物であり、その薬効がすごいというのだ。
今回は、ガン・アレルギー・ストレスに効く食べ物は植物図鑑のある薬草の「イヌトウキ」の効能についてお話します。
イヌトウキとは
世界的に有名な植物分類学者、牧野富太郎博士の大著『牧野日本植物図鑑』にも、イヌトウキの名前は出てきますが、薬用植物としての記載はありません。
イヌトウキは
朝鮮人参(高麗人参)と非常によく似た特性を持っています。
まず、
・根の形がよく似ていることと
・朝鮮人参のように同じ土地で二度、三度と続けて栽培できないことです。
また、
イヌトウキは多年草ですが
一度花が咲いて実がなると
地上部も根もすべて枯れてしまいます。
こんな点も朝鮮人参とそっくりです。
しかし、植物の系列からいうと
イヌトウキはセリ科に属し、朝鮮人参はウコギ科に属します。
そして、含まれている主要成分も両者はハッキリと異なります。
朝鮮人参の主要成分はニンジン・サポニンという物質ですが、イヌトウキはクマリン化合物が代表的な成分です。
このイヌトウキの薬効に最初に注目したのは、血行障害が原因で起こる特発性脱疸(手足の血流が途絶えてくる病気)にかかった患者で、、かつて見つけた朝鮮人参とよく似たイヌトウキの根を煎じて飲んでみたのです。
すると、特発性脱疸が治り始め、手術もまぬがれ、元気になったという実例があるのです。
その患者さんは、この効果にびっくりし、私財をなげうって、イヌトウキの研究を始め、多くの専門家の協力により、この薬用植物の薬効が明らかになってきたというわけです。
イヌトウキ(日本山人参)と朝鮮人参の違いとは
先にふれたように
イヌトウキと朝鮮人参は
植物の系列も、含まれている主要成分も異なりますが、基礎実験や臨床実験をしてみますと、現れてくる作用はきわめてよく似ているというのです。
ただ一つ、両者を分ける大きな差は
朝鮮人参には血圧を上昇させる傾向がありますが、
イヌトウキはむしろ血圧を下げるように働くことです。
しかし、イヌトウキのこの血圧降下作用は、高血圧の人のみに現れるものであって、血圧の正常な人や低血圧傾向の人には現れません。
その意味で、イヌトウキは朝鮮人参と違ってどんな人にも用いることができる薬草だということができます。
臨床で認められた「イヌトウキ」の五大効果とは
イヌトウキの臨床効果として顕著なのは以下の五点ではないかと考えられます。
末梢血管拡張作用を伴う抗動脈硬化作用
末梢血管の拡張作用があり
結果的には血圧も下げる。
血管を傷つけるのを予防したり
血小板凝集抑制(けっしょうばんぎょうしゅうよくせい)(血が固まるのを防ぐ作用)も認められ、動脈硬化の進行を防ぐ。
これらに心筋梗塞、脳出血・脳梗塞などの予防にもなる。
抗炎症・抗アレルギー作用
・気管支ぜんそく
・アレルギー性皮膚炎
・慢性肝炎
・慢性リウマチ
などの炎症や症状を引き起こす物質ができるのを抑えて、それらの病気を抑制する。
アレルギー・リウマチの対策についてはこちらもご覧ください。
免疫賦活と抗ガン作用
免疫(体の防衛力)を強化して
ガンに対する抵抗力をつける。
その再発の予防にもなる。
また、
癌が癌として誕生するには、
”プロモーター”と呼ばれる発ガン物質によって育ててもらわなければならないが、これを抑えてガン(癌)を予防する。
また、ガンより分泌されるトキソホルモンの作用を抑制する。
抗がん効果についてはこちらもご覧ください。
強精作用をかねた抗ストレス作用
ストレスがかかったときに放出されるアドレナリンというホルモンの働きを抑えて、ストレスに伴うさまざまな症状を改善する。
ストレスによる性機能の衰えも、活性化させる。
抗糖尿病作用
インスリンというホルモンの分泌が不足したり、働きが低下してしまうために糖尿病が起こるが、このインスリンの活性を高め、糖尿病の状態をよくしたり、合併症を防ぐ。
おわりに
イヌトウキの基礎研究は
その数々の成果が和漢医薬学会などでもすでに発表されています。
イヌトウキは
薬効成分の宝庫であり、その作用の全貌はまだ明らかにされていません。
しかし、これまで基礎研究で解明されてきたことと、それを服用した多くの患者さんの話の報告から以上の五大効果が認められています。
イヌトウキの効果についてはこちらもご覧ください。
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