頭痛のタネは枚挙にいとまがありません。
風邪をはじめ、便秘、血圧の変動、目の酷使、冷え、そして室内の換気の悪さや暖房のしすぎも頭痛の引き金となります。
とくにツライのは、慢性的に起こる偏頭痛でしょう。
今回は、鎮痛剤も効かない偏頭痛にはこのツボが効果あり!頭痛を解消するツボの場所と押し方を紹介します。
偏頭痛も頭ツボのマッサージで解消しよう
偏頭痛は、左右どちらかの側頭部か後頭部に拍動(脈を打つこと)を伴う激しい痛みが起こります。
同時に悪心(胸がムカムカすること)や嘔吐が現れることが多く、いちばんツライときです。
やがて拍動のない頭痛に変わり、数時間から半日くらいスッキリしない状態が続きます。
ツボ「脳空」と「正営」頭の場所
偏頭痛も、ツボマッサージ療法の得意とするところです。
使うのは、頭の脳空(のうくう)と正営(しょうえい)という頭のツボです。
脳空(のうくう)は後頭部にあります。
探すときは、まず後頭部で一番高く出ている部分(外後頭隆起(がいこうとうりゅうき))を覚えておきます。
そのすぐ上のくぼみが脳戸(のうこ)という頭ツボです。
この脳戸(のうと)と耳の上端を結んだ線の中間にあるくぼみが脳空(のうくう)です。
指で押すと強い圧痛(押して感じる痛み)を感じます。
よく偏頭痛の発作に見舞われる人は頭が痛い側の脳空(のうくう)が妙に軟らかい感じがします。
これは、頭の片側の循環障害(血液のとどこおり)からくるしこりです。
正営(しょうえい)は前頭部にあり、頭頂付近や前頭部の痛みによく効きます。
正営(しょうえい)は次のように探します。
まっすぐ前を見たときの瞳の位置から、頭のほうへ登っていくと、髪の生えぎわに臨泣(りんきゅう)という頭ツボがあります。
その頭ツボから、さらに指幅四本(人さし指から小指までの四本をそろえたときの横幅)上がったところに正営(しょうえい)があります。
頭痛や偏頭痛の最中に指で強く押すと、首をすくめるほど痛い圧痛を感じます。
頭ツボ「脳空」と「正営」のマッサージの仕方
脳空(のうくう)と正営(しょうえい)を刺激すると、頭痛だけでなく、悪心や嘔吐をも軽快させることができます。
家庭では指で押す方法をおすすめします。
ここでは、2種類のツボの押し方を説明しましょう。
まず、外後頭隆起の両側にある脳空(のうくう)に、それぞれ左右の親指を当てて、残り4本の指で側頭部を支えます。
そのまま親指で小さな円を描くような強めの押しもみを10秒間行います。
※親指を脳空に当て小さな円を描くように強めに押しもむマッサージ
指の力を抜いて一呼吸休みます。これを3~5分間くり返します。
そのときの頭の痛み方に応じて、押し方や押す強さを加減してください。
痛み方により両方でも、片方だけでもかまいません。
心地よい強さで押すことが大事です。
頭ツボ「正営」
次に、正営(しょうえい)をマッサージします。
人さし指か中指の先を頭ツボに当てて、円を描くように回しながら、強めの押しもみを10秒間行います。
指の力を抜いて一呼吸休みます。
これを3~5分間くり返します。
あまりに圧痛が強い場合は、なでるような軽いマッサージから始めて、指の力を徐々に強めていきます。
やはり頭の痛み方によって、両方いっぺんに行っても、片方ずつでもかまいません。
以上の頭ツボマッサージは、気分のよい時をみて1日2回くらいマッサージを続けると、頭部の循環障害が改善し、頭痛が起こりにくくなります。
頭ツボのマッサージで偏頭痛が解消する
3ヵ月ほど前、Eさん(女性、30歳)が家族とドライブ中に偏頭痛が始まり、我慢できずに治療院の看板を見て来院したというのです。
子供のときから偏頭痛に悩まされ、ここ数年は毎月発作が起こって鎮痛剤も効かないとのことでした。
右の側頭部と眼球の痛みが激しいらしく、問診中も顔をゆがめていました。
予約の患者さんの了解を得て、さっそく脳空(のうくう)と正営(しょうえい)に針治療をしたところ、5分以内に偏頭痛が消え去り、晴れやかな表情でドライブに出かけて行きました。
このように、頭のツボ脳空(のうくう)や正営(しょうえい)をマッサージすると偏頭痛が解消する傾向にあります。
ただし、頭痛には脳や血管の異常からくるものもあります。
突然の激痛に襲われたり、痛みが日増しに強くなる場合は、ただちに病院の検査を受けてください。
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