最近、テレビでは、がん検診の受診率の低さが取り上げられています。
日本人の癌(がん)で亡くなる人の中で、大腸癌(がん)の死亡数は、肺がんに次ぎ2番目です。
大腸癌(がん)検診を受けると、約7%の方が、精密検査をお受けくださいと、判定されます。
しかし、そのうち3割ほどの方は、精密検査の大腸内視鏡検査を受けておられません。
自党症がなく、わずらわしいとか、痛そう、はずかしいなどの理由からでしょう。
早期のがん発見の機会をみすみすのがしており、残念なことです。
今回、そんな方にも、受けやすい、新しい大腸検査「大腸CT検査」をご紹介いたします。
大腸CT検査とその特徴
「大腸CT検査」
という言葉をきいたことがあるでしょうか。
内視鏡を挿入せずに
CT装置を使って撮影することで大腸を診断する検査法です。
まるで大腸内視鏡:検査をしたような3次元立体画像で、形態診断ができます。
欧米では、すでに大腸がん検診の一つとして使われています。
現在、日本でも大腸がん検診の一方法、大腸内視鏡検査に迫る検査として、注目されています。
検査はCT装置のベッドの上で行います。
おしりから、二酸化炭素の気体を送る細い管をほんの数cmほど入れ、お腹をふくらませた後は、あおむけとうつ伏せの2方向の撮影をするだけです。
検査は10分から20分で終了です。
長所は、
・検査前に飲む下剤の量が少ないこと
・大腸に長い管を入れる必要がないこと
・短時間で割りと楽に検査ができること
です。
大腸のひだのかげや、大腸が細く内視鏡が入らない奥も、観察可能です。
欠点は
・小さい変化や色調の変化がわからないこと
・病理学的検査や処置ができないこと
・低線量のX線被ばくがあること
とされています。
大腸CT検査の能力
大腸CT検査の診断は
ポリープなど隆起変化の形態診断が主となり、5mm程度のものも拾い上げできます。
大腸がんは
ポリープが10mmを超えるとなりやすくなるといわれていますので、大腸CT検査はがん検診としては十分な力を持っていると考えられます。
大腸癌(がん)検診についてはこちらもご覧ください
大腸癌(がん)検診
40歳以上のがん年齢では
1次検査として、便潜血反応検査(2日法)を毎年するのが一般的です。
陽性者は、2次検査として、大腸内視鏡検査を受けます。
大腸CT検査は、1.5次検査といわれます。
便潜血反応陽性の方は、本来、大腸内視鏡検査を受けるべきですが、「こわい」とか、「大変そう」とかで検査を先送りしているなら、ぜひ一度、大腸CT検診を受けてください。
また、人間ドックなどで、大腸がん検診に関心のある方も、一度受けてみてはいかがでしょうか。
癌(がん)検診・診断についてはこちらもご覧ください
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