脳梗塞/動脈硬化 高血圧/低血圧

「隠れ脳梗塞」の原因は高血圧で30代からの血圧数値の管理が重要!

2017/10/05

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脳梗塞といえば、以前はマヒや意識障害などを起こすものと決まっていました。

しかし、ここ10年ほどで明らかになって来たのが、明確な症状を起こさない小さな脳梗塞、いわば「隠れ脳梗塞」もかなり多いということです。

今回は、「隠れ脳梗塞」の原因は高血圧で30代からの血圧数値の管理が重要な理由についてお話しします。

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隠れ脳梗塞の原因は加齢と高血圧

これは「無症候性脳梗塞」と呼ばれ、40歳代から急速にふえます

無症候性脳梗塞を放置しておくと、将来はかなり高い確率で本格的な脳梗塞発作を起こすことがわかっています。

 

脳卒中全般をみると

・加齢

・高血圧

・糖尿病

・高脂血症

・喫煙

・心臓病

などが危険因子となることが知られています。

 

脳梗塞の予備軍である無症候性脳梗塞についても、これらとの関わりが研究されています。

その結果は、研究者によって多少ばらつきがありますが、どんな研究でも共通して、必ず無症候性脳梗塞との関連が深いとされる要因があります。

それは、加齢と高血圧の二つです。

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よく知られるように、特別な病気がなくても、加齢とともに動脈硬化が進行します。

普通は、50~60歳代から徐々に進んでいきます。

ところが、高血圧があると、それが早まり、40歳過ぎから進んでしまうのです。

それに伴って、無症候性脳梗塞の出現も早くなります。

 

高血圧があると

無症候性脳梗塞の出現がおよそ10年早まるという報告もあります。

 

また、ある研究では、脳卒中を起こしたことがない人の脳をMRI (磁気共鳴断層撮影)で調べたところ、無症候性脳梗塞が見つかった群では68%が高血圧だったのに対し、無症候性脳梗塞がなかった群では、高血圧の人は30%にすぎなかったという結果が出ています。

 

こうした結果からも

高血圧が無症候性脳梗塞の重大な危険因子であることは明らかです。

加齢はすべての人にとって避けられない要因ですが、高血圧は努力しだいで避けられます。

気づかないうちに起こる無症候性脳梗塞を防ぐには、高血圧の適切な治療が不可欠です。

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脳梗塞予防と高血圧の治療

通常、継続的に

最大血圧が160ミリ

もしくは

最小血圧が95ミリ

を超えると、高血圧と診断されます。

この診断は、少なくとも3回、違う日に血圧を測って行います。

いずれも最大血圧が160ミリ、最小血圧が95ミリを超えると、一般に降圧剤が処方されます。

患者さんの中には、「高血圧の薬を飲み始めたらずっと続けなければならないから先送りしたい」などとおっしゃる方もいます。

しかし、そうしている間にも無症候性脳梗塞はふえつづけているかもしれないのです。

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高血圧治療

高血圧の治療

あまりずるずる引き延ばさず、早めに始めることが大切です。

 

血圧が高くなってから、治療を始めるまでの期間が短いほど、動脈の傷害は少なくてすむからです。

ただし、病院で医師を目の前にすると、緊張して血圧が上がる人もいます。

この場合、ふだんの血圧値によっては、本当は薬が不要なケースもあります。

これが疑われる場合は、自宅で1日2回、決まった時間に家庭用血圧計で血圧を測り、記録を病院に持参すると安心です。

 

人によっては、睡眠時間の確保、肥満の改善、塩分制限、適度の歩行などを実行すると、血圧が下がって降圧剤による治療が不要になることもあります。

こうした努力も大切です。

しかし、それでも降圧剤が必要と診断されたら、早めに治療を受けてください。

それが、無症候性脳梗塞、ひいては脳卒中を防ぐ有力な対策になります。

また、最大血圧が140~160ミリ、最小血圧が90~95ミリの範囲は、本格的な高血圧とはいえないものの、注意が必要です。

 

無症候性脳梗塞などの動脈の傷害を防ぐには、条件にもよりますが、

最大血圧が140ミリ、最小血圧が90ミリ以下にコントロールすることが必要といわれているからです。

生活改善などで、できる限りこの数値以下にするよう努めてください。

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脳梗塞の予防についてはこちらもご覧ください

 

 

 

血圧を下げる時の注意点

もう一つ気をつけたいのは

血圧値を短期間で大幅に下げるのは禁物ということです。

 

血圧が高い人は、血流を調節するしくみか衰えているので、たとえば200ミリから急に130ミリに下げると、脳への血流量が減少し、危険な状態になりやすいのです。

かえって脳梗塞を誘発することさえあります。

2~3カ月かけて徐々に血圧を下げれば、その間に血流を調節するしくみも正常化されます。

 

脳血管に関する心配があるときの高血圧の治療は、できれば内科でなく、神経内科で受けるとよいでしょう。

そうすれば、脳の状態も考え合わせた、きめ細かい治療が受けられます。

さらに、降圧剤を処方されたあとも、患者さん自身で日常的な血圧測定を続けることをおすすめします。

もし、急激に血圧が下がって、めまいやだるさ、脱力感などが生じたら、すぐ主治医に報告してください。

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高血圧が脳血管の損傷を早める

高血圧は、それ自体ははっきりした自覚症状を起こしませんが、確実に脳血管の傷害を進めます。

血圧が高くなりやすい40歳代以降はもちろんのこと、とくに30歳代で血圧が高い場合は、30歳代のうちから血圧数値の管理に努めることが大切です。

隠れ脳梗塞についてはこちらもご覧ください

 

 

 

ここに、2人の患者さん例があります。

それを改めて考えるうえで印象深い例でした。

1人は40歳代後半の男性、もう1人はその部下である30歳代半ばの男性です。

2人とも高血圧で来院しましたが、上司のほうはきちんと血圧を測り、服薬して最大血圧が140ミリ、最小血圧が90ミリ以下に保っていたのに対し、部下のほうは血圧管理に不熱心でした。

若いし、体力にも自信があるため、最大血圧が180ミリ、最小血圧が100ミリ前後の血圧値にもかかわらず、たまに来院する程度でした。

この方は結局、30歳代で非常に大きな脳卒中を起こし、重い後遺症を残してしまいました。

本当に怖い症状です。

高血圧と脳梗塞の関係をよく知り、ぜひ上手に血圧管理をしていただきたいと思います。