腰痛やひざ痛は、足腰の筋肉の筋力低下が原因で起こる場合がしばしばあります。
整形外科医は、そういう患者に筋カトレーニングを勧めます。
そこで、ダイエットシューズが有効というのです。
ダイエットシューズの口コミは本当なのか!?ダイエットシューズの効果は実験で確認されて学会でも発表されていたのです。
ダイエットシューズの効果は実験で確認されていた
実際に、腰痛体操や大腿四頭筋(ももの前面の強い筋肉)のトレーニングを勧められた人も多いでしょうが、こうした体操は率直にいって退屈です。
しかも1,2カ月続けなければ効果が現れず、指示どおりに体操を続ける者もごく一部で、多くの人は途中でやめてしまいます。
ステロイド剤(炎症などを抑制するホルモン製剤)などの投与を希望する患者もいますが、それらの薬は症状を一時的に緩和させる対症療法にすぎません。
研究者は、簡単でしかも長続きする足腰のトレーニング法はないかと、模索してきました。
そこで、靴のかかとの部分が理想的に削られ、地面につかないように作られたダイエットシューズに着目したのです。
そして、治療の一環として患者に勧めるために、実験を行いました。
ダイエットシューズの実験効果は?
腰痛やひざ痛の患者と健常者の計12人に承諾を受け、二ヵ月間ダイエットシューズをはいてもらったのです。
ふだんの靴の代わりにダイエットシューズをはいてもらい、その使用前と使用後に、足腰の筋肉など25ヵ所をCTスキャナー(人体の横断面を映し出す医療機器)で断層撮影したのです。
整形外科学では、筋肉の断面積と筋力は比例し、筋肉の断面積が大きいほど、筋力も強いと考えます。
筋肉の断面積を測定すれば、筋力増強効果を数量的にとらえられるわけです。
ダイエットシューズをはく前と、三ヵ月間はいたあとでの、主な筋肉の断面積の増減を13人の平均値で出したところ、下の図のようになりました。
主な筋肉を見ると、
腹部前面の腹直筋は30.3%増加し
下腹前面の腸要筋は47.98%増え
ももの後ろ側の大腿二頭筋は16.7%増加
ふくらはぎの緋腹筋は約10%増加しています。
これらのデータを見ると、おなかから足までの筋肉が、かなり増加して強化されていることがわかります。
アキレス腱だけは増加せず減少していますが、これはアキレス腱自体につきやすい脂肪や、腱を構成する余分な軟部組織がなくなって、筋肉自体が引き締まったためと考えられます。
靴をはいてわずか二ヵ月で、これほどの明確な効果が得られたのには驚きました。
この成果は、日本臨床整形外科医会の学会でも発表されました。
実験データから、この靴が足腰の筋力増強に効果があることがはっきりしたので、その後は筋力低下が原因と思われるひざ痛や腰痛を訴える患者には、靴を勧めるようになりました。
ダイエットシューズなら靴をはくだけですから、普通の日常生活の中で、知らず知らずのうちに筋カトレーニングができます。腰痛体操などと違い、挫折する心配も少ないでしょう。
ダイエットシューズで腰痛やひざ痛が軽快
これまでに100人以上の患者にこの靴をはいてもらってデータが取られていますが、腰痛やひざ痛が軽快するなど、数ヵ月でかなりいい結果が出ています。
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特に、ひざに水がたまる人には効果的です。
ひざ痛や腰痛を訴える患者と健常者とでは、筋力増強の現れ方に違いはありませんでした。
ひざや腰の痛みの改善にも役立ちますし、今は痛みはないが、これらの病気の予防や、足腰の筋力増強に使いたいという場合にも適しているわけです。
ダイエットシューズの注意点
この靴をはいて歩くと筋肉が増加するので、足や腰が太くなるのではと考える人もいるかもしれませんが、その心配はいりません。
筋肉の量は増加しますが、
おなかが出たり足が太くなったりすることはなく、むしろ余分な脂肪などが取れて、体は引き締まってスマートになります。
シェイプアップ効果がじゅうぶん期待できるのです。
ただし、
ひざなどが局部的に赤くなったり熱をもったりするなど、
関節の急性炎症を起こしている人
足や腰を骨折し、まだじゅうぶんには骨のついていない人
結核菌が関節に入って起こる結核性関節炎の人
尿酸が原因で起こる痛風性関節炎の急性期の人
関節リウマチで関節に激しい痛みが出ている人や関節変形のひどい人
などは、この靴をはかないでください。
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