うつ病(鬱病)を良くするにはどうしたら良いでしょうか?
また、自分でできることはないのでしょうか?
うつ病(鬱病)やうつ状態で苦労されている方は多いのではないでしょうか。
今回は、専門医・指導医の方に、うつ病を良くし治す方法「うつ病の養生法」についてお話しを伺いました。
うつ病(鬱病)は心の病ではなく脳の病気
うつ病の治療で重要なのは、まず診断です。
憂うつな気分が続き、興味や喜びが喪失するうつ状態を示す病気は、適応障害、双極性障害、気分変調症、認知症など、うつ病以外にもたくさんあります。
それぞれ治療法が異なり、診療内科や精神科の専門医を受診する事が大切です。
うつ病は、
いわゆる「こころの病気」ではなく、脳の働きの不調によって起こる「脳の病気」です。
脳の不調を正常化する抗うつ剤を主とした薬物療法が治療の中心となります。
医師の指導に従い、毎日きちんと服薬しましょう。
うつ病(鬱病)の養生で心身と脳の回復を
さて、うつ病を良くするため「治療」と共に大切にしたい事に「養生」があります。
養生とは、人には心身の健康を取り戻そうとする回復力があり、それを促すように生活に取り組む事です。
脳の回復を促すうつ病の養生法をまとめました。
うつ病診断では休息と活動のバランスを
うつ病には、
- 急性期:どん底の時期
- 回復期前期:うつの辛さが緩和する時期
- 回復期後期:意欲が戻り始める時期
という3つの病期があります。
うつ病チェック「急性期」
急性期にはひたすら脳を休ませる事が大切です。
睡眠を十分にとり、ゆったりのんびりだらだらと過ごしましょう。
うつ病チェック「回復期前期」
回復期前期では、まだ体養中心ですが、少し調子の良い日が出てきたら、軽く活動してみましょう。
実験的な態度でやってみて、気持ちがいい、ちょっと楽しいと感じる活動を見つけ、少しずつ増やしていきましよう。
この時期は調子の良い日と悪い日の波があり、臨機応変に体患と活動のバランスを調整することが大切です。
計画的にはせず、調整は疲労感を目安にし、疲れたと感じたら途中でも止めましよう。
「~しなければならない」と義務感で動くのではなく、かすかな「~したい」という意欲の思いを見つけて、大事に育てていく感じです。
うつ病チェック「回復期後期」
回復期後期には、まず、生活のリズムを作っていく事が重要です。
起床時間を元の生活に戻して夜は早めに体みましよう。
散歩などの軽い運動はうつ病の改善にとても役立ちます。
無理をせず楽しい気持ちでやれる範囲でしましよう。
寝る前のストレッチは眠りを深くします。
さらに回復してきたら、1週間のゆるいスケジュール表を作りましょう。
出勤するつもりで図書館に通うのも良い方法です。
読書は認知機能の改善にも役立ちます。
ただ、スマホやネット、ゲームには注意が必要です。
依存性があり、やり過ぎると、脳を疲労させ、生活が乱れ、うつ病を長引かせる原因になります。
時間を決めて、管理しましょう。
うつ病の特徴でもあるネガティブな考えへの対処
うつ病では
後悔、悲観、自己否定などのネガティブな考えが繰り返し、繰り返し頭に浮かびます。
この考えがさらに気分を落ち込ませ、回復の妨げになります。
一見自分の考えの様でも、うつ病が生み出す「うつ色」に染まった考え=単なるうつの症状として受けとめましよう。
その考えがいくら深刻で重要に見えても、内容に取り組まず、判断せず、そのまま手放しましょう。
さらさらと流れる小川のような心で、執着せずどんどんネガティブな考えを手放しましょう。
ひたすらそうしていると、自己否定の奥にある「より良く生きたい」という本当の欲求が、心の川底にうっすら見えてくるでしょう。
おわりに
養生とは生を養うこと。生の発露としての自然な欲求を回復させ、生きる力を取り戻しましよう。
うつ病やストレスについてはこちらもご覧ください。
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