1970年に国立がんセンターから発表された研究で、えのきだけがマツタケやナメコに次いで、81.1%という高い抗腫瘍率(ガン阻止率)を持つことが発表されました。
えのきだけのこの成績は、入手のしやすさを考えれば、十分注目に値するものでした。
そこで、さらにえのきだけの研究を始めることになったのです。
えのきが癌細胞が縮小し、発癌を予防
行った研究は、二種類に大別されます。
一つは
えのきの栽培農家の人々を対象とした疫学調査、
もう一つは
開発したえのきのエキス(熱水に溶ける成分)を動物で試した抗腫瘍実験です。
エノキの栽培農家は癌による死亡率が低い
疫学調査では、
全えのきだけ栽培農家、17万4500人を訪問し、ガンを中心とする健康状態について聞き取り調査を行いえのきだけがガンに有効なら、それを他の人より多く食べているはずの、栽培家庭の人たちのガン死亡率は少ないはずです。
その結果、えのきだけを回数多く食べている人ほどガンによる死亡率は低くなっていました。
また、興味深いことに
えのきだけを回数多く食べることが、
発ガン危険因子を持つといわれる食品の危険度を下げることもわかったのです。
おもしろいことに、発ガン性で知られる焼き魚の黒こげは、週五日以上えのきだけを食べることで防御因子として働きます。
また発ガンを防御するので有名な緑黄色野菜はその効果をより強めています。
えのきだけ栽培農家のえのきだけ平均摂取量は、一週間に24gほどでしたから、週当たりスーパーなどで売られているパック(およそ100g)を二個半弱、料理に入れるようにすれば、ガンによる死亡率を大幅に下げる期待が持てます。
えのきのエキスで癌細胞が縮小し、発癌を予防
一方、動物実験では
えのきだけのエキスを継続して摂取すれば
癌細胞が縮小し、発癌を予防できることが確認されました。
これは注射による投与だけでなく、日から入れる経口投与でも認められました。
つまり、食べるだけでもこうした効果は期待できるのです。
そして別の実験から、えのきだけのこうした効果は、直接ガン細胞を殺す作用ではなく、免疫を増強する作用のためであることがわかりました。
免疫とは人間が持っている、体の中の異物を排除する能力のことです。
この機能が正常に働いている場合には、ガン細胞は異物として免疫系を構成する細胞に確認され、攻撃を受けて排除されます。
ところが、加齢やカゼなどの病気で体が弱ったときには、免疫の力も弱くなってしまい、ガンが発生・増殖してしまいます。
えのきだけを摂取すると
この免疫機能が増強され、ガンになりにくくなり、また、できてしまったガンも強くなった免疫機能が排除し始めるのです。
抗がん剤より腫瘍が小さくなった
上記で記載している研究に携わった外科医の体験談です。
自分の身に大腸癌が
えのきだけの抗ガン効果を私自身の身を持って体験することになってしまったのは大腸の一部、直腸にガンができたためでした。
私がガンに気がついたのは、平成三年一月です。
便が細くなり、二筋の赤い線がついているのを発見しました。
職業柄、直腸ガンであることはすぐにわかりました。
以前から私のように「末期や進行性のガンを扱ってきた医者は、ガンで死んでしまう」というジンクスがあったので、ついにきたかと平静な気持ちでいたことを覚えています。
しかし、手術を受けるつもりもなく、ちょうど抱えていた医学雑誌の連載記事が七本あり、多忙だったこともあって放置することにしました。
ところが、私が毎週、ガンの手術を執刀しに出向く病院でこのことを話したところ、たちまち大騒ぎになってしまったのです。
やれ検査だの、やれ手術だの、有無をいわさぬ勢いで決められてしまいました。
私は、手術をするなら気心の知れたこの病院で、とも考えたのですが、事情で、同僚の兄が勤務していた神奈川県立がんセンターで受けることになってしまいました。
ただし、手術日だけは五月に延ばしてもらいました。
雑誌の記事を送らないわけにはいかないですし、万が一のため、身辺整理をする時間も欲しかったからです。
こうして手術までの四ヵ月間は、それまで以上に多忙な生活を送ることになりました。
入院前の二週間は休診にしたものの、それ以外は診療も休まず、原稿も書き、朝から晩まで働きづくめでした。
そんな状態では体も当然弱ってしまいます。
私は、ガンが進行するのもしかたないと、覚けれども、五月上旬になっていざ入院してみると、意外なことが起きていたのです。
えのきの粉末を飲んでいたら腫瘍が小さくなった
二月に病院で検査を受けたときには
腫瘍が直腸の三分の一周あり
直径で3cmくらいだったガンが
直腸の四分の一周まで、つぶれたような形に縮小していたのです。
そして五月十七日の手術時には、直径で半分まで、体積で8分の1まで腫瘍が小さくなっていました。
このため、手術は無事終わり、カルテには完全に治療した意味の「絶対的治癒切除」が記入されました。
こうした意外な結果の原因として、私が思い当たるものはただ一つ、二月中旬から飲み始めたえのきだけの粉末でした。
開発者としてはガンがわかった時点から飲み始めるべきだったかもしれませんが、おかしなもので、二月になるまですっかり忘れていたのです。
連載記事を書いている最中、ふと思い出し、自分の体で実験してやろうと、保健食品として市販されているものを1日3包ずつ飲みはじめたのです。
手術をうけるまで、抗がん剤を投与されたり、放射線療法を受けるなどの治療は何一つおこなっていません。
えのきの粉末をちょうど二ヶ月の間、飲み続けただけです。
したがって、これはえのきだけのエキス粉末単独の抗腫瘍効果ということになります。
どんなに強力といわれる抗ガン剤でも、二ヵ月でこれほどまでガンを小さくしたような例はありません。
普通は半分になればいいほうなのです。
ある人からは「あと三ヵ月もえのきだけを飲んでいたらガンはすっかり消えていたのではないか」と冗談をいわれましたが、自分でも信じられない思いでした。
いま現在、私は再発防止のため、えのきだけの粉末を1日2包ずつ飲んでいます。
えのきだけのガンへの効果はこちらもご覧ください。
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