前回の記事でお話ししましたが、口呼吸、うつぶせで寝る、横向きで寝る、片側で物を噛むなどを行っている方は、何かしら体の不調がでているはずです。
ただのクセといって安易に考えていては危険です。
今回は、病気を根本から治す、鼻呼吸法について解説していきます。
長年の口呼吸、うつぶせ寝や横向き寝、片側かみといったクセを直すには、いろいろな工夫が必要です。
しかし、基本的に大切なのは、自分でそのクセを強く自覚し、直そうと決意することです。
口呼吸を鼻呼吸にする方法
口呼吸をしている人は、気が付いたら口を閉じ、鼻で呼吸することから始めましょう。
きちんと口を閉じると、あごが引けて目が開き、姿勢も良くなってきます。
口呼吸のクセがある人は唇が短くなっているので、ときどき上唇や下唇を手でつかみ、引っ張ってみましょう。
少々鼻がつまっていても、強引に鼻で呼吸をしてください。
最初は苦しかったり、違和感があったりしますが、意外と短期間で慣れるようです。
しかし、睡眠中は無意識のうちに口呼吸に戻りがちです。
そこで、いくつかの工夫で呼吸法を矯正するとよいでしょう。
おしゃぶりの活用
第一におすすめしたいのは
おしゃぶりの活用です。
日本では、子供でも幼児期から口呼吸をする例が目立ちます。
これは、離乳が早過ぎ、哺乳期間が短いことによる弊害です。
乳首をくわえていると、自然と鼻呼吸に慣れます。
欧米のように、授乳自体はやめても、3~4歳まではゴムやシリコンのおしゃぶりをくわえさせ、鼻呼吸の訓練をするべきです。
口の真ん中で吸うおしゃぶりは、顔の左右の筋肉を均等に発達させ、片側かみを防ぐためにも効果的です。
おしゃぶりをくわえていると出っ歯になると気にする親御さんもいますが、むしろ、おしゃぶりをとりあげたために行う指しゃぶりが、出っ歯の原因になります。
欧米では、こうしたことが知られ、3~4歳までおしゃぶりをくわえさせています。
欧米に比べ、日本に口呼吸をする子が多いのはそのためです。
子供の話が少し長くなりましたが
大人でも、口呼吸をやめるにはおしゃぶりが効果的です。
普通の子供用のおしゃぶりでも十分に効果がありますので、ぜひお試しください。
日中は使いにくいでしょうが、夜、くわえて寝るだけで口呼吸の防止に役立ちます。
眠って、無意識のうちに口から落ちてもかまいません。
続けていると、少しずつ自然に鼻で呼吸できるようになってきます。
マスクの活用
また、睡眠中、口だけにマスクをするのもよい方法です。
マスクの上3分の1を外側に折って、ゴムひもを耳にかけると使いやすいでしょう。
のどの乾燥が強い人は、マスクをぬらしてかけるとより効果的です。
絆創膏の活用
2~3cmの長さの紙絆創膏を
閉じた上下の唇にかけて、タテにはって寝る方法もあります。
強力なテープをピッタリはるとくしゃみをしたときに鼓膜に強い圧がかかり危険なので、必ずタテに軽くはります。
なお、カゼや花粉症による鼻づまりがひどい場合は、鼻に蒸しタオルやお湯の蒸気(ネブライザー・・・噴霧器を使う方法もある)を当てたり、耳鼻科で点鼻薬を処方してもらったりして、鼻を通してから以上の方法を行いましょう。
本来、シーズン前から鼻呼吸をしていれば、花粉症自体が出にくくなります。
すぐには効果が現れなくても、気長に続けてください。
うつぶせ寝・横向き寝・片側噛みを直す方法
睡眠時は、これらの工夫をするとともに、まっすぐ上を向いて寝るようにします。
枕は、顔と体のゆがみを招くので、できれば使わないのが理想です。
ないと眠れないなら、押すと低くなる羽毛枕や、折ったバスタオルなどを使うとよいでしょう。
もう一つのクセである片側かみも、クセの自覚から始めます。
無糖のガムを口に入れ、しばらく自然に噛んでみましょう。
ずっと片方でかんでしまうなら、そちら側の片側かみのクセかあると判断てきます。
首をまっすぐにして、左右に倒してみるのもチェック法になります。
ふだん、よく使っている側の首の筋肉は、顔の筋肉とともに縮んでいますから、反対側に曲げるとつっぱります。
たとえば、首を左に倒して強くつっぱるなら、右側で片側かみをしている証拠です。
ちなみに、片側かみのクセがあると
そちら側を下にしたうつぶせ寝や横向き寝をしたり、そちら側に体を傾けてほおづえをついたり、ワープロを打ったりする傾向が強くなりますので気をつけましょう。
片側かみを正すために、最も簡単て有効なのは「ガムを噛む」療法です。
これは、無糖のガムを口に入れ、偏って使っているのと逆側の歯で噛む療法です。
このときに必ず守ってほしいのが、口を閉じて噛むということです。
できるだけ長く、じっくリガムを噛むことが大切です。
一日に一枚ずつ噛むだけでも、かなり矯正効果があがります。
それとともに、食事のときは意識して口を閉じて両側の歯で均等に、ていねいに食物を噛みます。
一口につき、30回は噛んでください。
片側の歯が悪いときは、早めに治療して両側噛みを心がけましょう。
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