膀胱炎は細菌感染によって膀胱に炎症が生じて起こる、非常に頻度の高い疾患です。
特に女性に多く、皆さんもよくご存知の病気ではないか思います。
今回は、頻尿、排尿痛、残尿感、血尿など膀胱炎のような症状には他の病気も注意しておく必要がある点についてお話しします。
膀胱炎の症状とは
膀胱炎の症状には
・頻尿
・尿意切迫感
・排尿痛
・残尿感
・排尿困難
・尿の混濁
・血尿
・尿失禁
などさまざまな症状があります。
血尿や頻尿があっても
2~3日で症状が治まった場合
膀胱炎が自然治癒したのであろうと自己判断し、そのまま様子を見るといったことは非常に多いことではないかと思われます。
膀胱炎の対策についてはこちらもご覧ください
膀胱炎の症状と同様の疾患とは
しかしこの膀胱炎のような症状を起こす疾患は、必ずしも膀胱炎だけとは限りません。
膀胱を含め膀胱周囲の別の病気でも、同様の症状が起こることが多いのです。
例えば
・膀脱付近に下降してきた尿管結石や膀胱結石
・膀胱癌(がん)
・過活動膀胱
・前立腺肥大症
・前立腺炎
・前立腺癌(がん)
・尿道炎
など、他の泌尿器科疾患でも膀胱炎と同じような症状が起こります。
膀胱癌(がん)が見つかったケース
よくあるのが
「血尿が半年前から何度か出ていたが
2~3日もすると消失するため
膀胱炎だろうと思って様子を見ていたが
さすがに不安になり受診した」
という患者さんがおられ、超音波検査や内視鏡検査を行ったところ、膀胱癌(がん)が見つかったという事例があります。
膀胱癌の対策についてはこちらもご覧ください
尿管結石や膀胱結石が原因であったケース
このほかにも
「急に頻尿と血尿が出現し
近くの医療機関で膀胱炎と診断され
膀脱炎の治療を受けたが改善しないため
病院を変えて受診した」
という患者さんが、詳しい検査で尿管結石や膀胱結石が原因であることが判明した、ということもよくあるケースです。
また
「頻尿で尿意切迫感があり
膀脱炎と思い市販の抗生物質を服用しても治らない」
ということで来院したところ、尿には異常はなく、実は過活動膀胱だったということも多々あります。
膀胱炎のような症状が続く場合は要注意!
このように
いわゆる膀胱炎のような症状は
膀胱炎のみに特有の症状ではありません。
膀胱炎と思い込んで、放置したり、間違った治療を行っていると手遅れになる場合もあります。
膀胱炎を繰り返す場合
あるいは
膀胱炎のような症状が
改善しない場合は
他の泌尿器科疾患が隠れている場合が少なくありませんので、泌尿器科専門医に相談することをお勧めします。
また、男性はもともと
膀脱炎に罹患する頻度は低いので
膀胱炎のような症状が起こった場合
何らかの基礎疾患が潜んでいることが多いため、特に注意を要すると思われます。
おわりに
このように
膀胱周囲の別の病気でも膀胱炎の同様の症状が起こります。
しかも手遅れになったら大変なことにります。
繰り返したり改善しない時は自己判断せず複数の専門医に相談してみてください。
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