突然起こるつらい下痢!さまざまな原因があることをご存知ですか?
下痢はよくある症状ですが、3日以上水のような下痢が続いたり、嘔吐(おうと)を伴ったりする場合は、病気の可能性が高くなります。そこで下痢をした時、病院に行くべきかどうかを見極められるよう、簡単に説明したいと思います。
急性下痢と慢性下痢とは
下痢には、急に始まって比較的早期に回復する急性下痢と、3週間以上続く慢性下痢があります。
腹痛、下痢、嘔吐、発熱は感染性腸炎の疑い
まず、急性下痢からお話しいたします。
数日前から急激に始まった腹痛、下痢、嘔吐、発熱は感染性腸炎が疑われます。
水分補給のポイント
通常は自然に治りますので、症状が強い時には栄養を取ろうと無理に食事をする必要はありません。
十分に水分補給をして過ごしましょう。
水分補給のポイントを挙げます。
①常温で飲むようにしましょう。
②水ではなくミネラルを補給できる経□補水液(スポーツドリンクなど)があれば有効です。
③薄い澄んだスープ
(出し汁に塩でちょつと味付けしたもの)いわゆるすまし汁(具なし)や薄い味噌汁(具なし)もよいてしょう。
④ハーブティーなら胃腸のトラブルをやわらげてくれるジンジャー(すりおろし生姜)やミントを。
甘みが欲しい人は蜂蜜をほんの少し入れて飲むのがお勧めです。
水分も取れない状態になったら点滴が必要ですので、病院を受診してください。
腹痛・下痢・血便は虚血性大腸炎の疑い
突然腹痛が起こって下痢をし始め、真っ赤な便(血便)も出てきたという場合は、虚血性大腸炎が疑われます。
便秘がちな高齢女性に多く、腸が働くために必要な血液が足らなくなった場合に腸炎を起こします。
通常は一過性で治療を要しませんが、腹痛が強い場合や出血が多い場合は入院して絶食で点滴を行います。
大腸炎の改善対策についてはこちらもご覧ください。
緊張やトイレに行けない状態になると下痢をする過敏性腸症候群
次に慢性下痢についてお話しします。
若い万で、授業中や電車の中などトイレに行けない状態になると腹痛や下痢が出るような場合は、過敏性腸症候群の可能性があります。
緊張したら下痢をするという経験がある方は多いと思います。
その症状が強くなって、生活に支障を来す状態と考えてください。
驚くべきことに国民の10人に1人は過敏性腸症候群と言われています。
生命に危険はないのですが、生活の質はずいぶん落ちてしまいます。
良い薬も出てきていますので、一度病院を受診してみてください。
数力月間下痢が続くとき潰瘍性大腸炎・クローン病の疑い
数力月間下痢が続くときで
粘血便(粘液と血液が混じったような便)を伴う場合は潰瘍性大腸炎
体重減少を伴う場合はクローン病の可能性があります。
これらは原因不明の腸炎で、厚生労働省の特定疾患に指定されている難病ですが、適切な治療により日常生活に支障を来さない方が多くなっています。
慢性下痢には大腸癌の疑いもある
最後に、慢性下痢には大腸癌が隠れていることがあります。
癌によって大腸が狭くなるため、普通の便の形で出てくることができず、下痢になることが多いのです。
50歳以上の方で下痢が続く場合は
大腸内視鏡検査を受けることをお勧めいたします。
一般に急性の下痢は自然に治る場合が多いです。
しかし慢性の場合は病院を受診すべき病気が隠れていることがありますので、参考にしてください。
大腸癌の改善対策についてはこちらもご覧ください。
おわりに
まずは、下痢の症状をチェックしてみましょう。
水分が取れない、生活に支障をきたす、長引くという時は早めに病院での受診をお勧めします。
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