大豆は「畑の肉」といわれているほど栄養に富んでいるのは知っていますか?
大豆製品の「豆腐」はタンパク質や栄養が豊富でカロリーが低いんです。
私も、豆腐ダイエットは実施します。
今回はそんな、大豆製品の「豆腐」は最強のダイエット食品であることをお話しします。
大豆はタンパク質が豊富で食べ過ぎを抑制する
良質のタンパク質と脂質に富んだ大豆は、生産効率が最も高い作物の一つです。
将来の世界の人口増加と環境悪化に対応できる食糧資源として、大変期待されています。
ここでは、健康増進とダイエットに関する話題を取り上げてみることにしましょう。
大豆について、疑問に思ったきっかけとなったのは、これだけ栄養面で優れていて、作りやすい植物であるにもかかわらず、なぜ、主食として利用されていないかという疑問です。
その原因として発見されたのが、大豆に含まれる成分、食べると不快感を起こさせる幾つかの物質です。
大豆を食べたとき、のどの奥に苦みを感じたことはありませんか。
また、豆乳を飲むと、のどの奥のほうがなんとなくざらつく、なんともいえない不快感が生じることもあります。
そうした不快感を起こさせるのが、大豆に含まれるサポ二ン(水に溶けると泡立つ性質を持つ物質)のAグループと呼ばれる物質です。
さらに最近は、イソフラボノイドという物質も関係していることがわかりました。
これらの物質は、舌の後半からのどの奥にある舌咽神経(ぜついんしんけい)(舌やのどの知覚や運動を支配する神経)を刺激し、不快感を起こさせるのです。
大豆や大豆製品を食べやすくするためには、これらの物質を多く含む部分を取り除けばいいわけです。
幸い、Aグループサポニンもイソフラボノイドも、大豆の種子の胚軸(種子の中心部分)に集まっていることがわかり、食品加工の工程で、ここを除くことが重要なポイントになると判明しました。
ただし、ダイエットの観点からすると、適量のAグループサポニンやイソフラボノイドは、強い味方になります。
というのも、これらはのどもとに不快感を引き起こすと同時に、満腹感ももたらすので、食べすぎを抑制してくれるからです。
豆腐ダイエットは食べ過ぎを抑制する
とはいっても、大豆そのものを食べるよりは、食事としての充実感を味わいたいものです。
それには、大豆の加工品である豆腐を上手に利用するのがいいでしょう。
豆腐は一丁が約300gもあり、水分が多量に含まれています。
この重量と舌咽神経(ぜついんしんけい)の刺激との両面により、一丁の豆腐からでも適度な満腹感が得られ、ダイエットにつきものの空腹感を感じずに済むはずです。
大豆の栄養について
ところで、大豆には血液中の有害物質を除去、あるいは分解してくれる物質も幾つか含まれています。
肥満を防ぎ成人病予防に効果的
その一つはサポニンのBグループと呼ばれるもので、これは血液中の脂肪が過剰になると、それを減らすような作用を持っています。
つまり、肥満を防ぎ、成人病の引き金となる高脂血症(血液中の脂肪が多い状態)の予防にもなる、実にありがたい働きをしてくれるわけです。
癌(ガン)の原因の活性酸素を消去
もう一つは、最近発見されたDDMPサポニンです。
このDDMPサポニンは、癌(ガン)をはじめとしたいろいろな病気の原因となっている活性酸素を消去してくれます。
わかりやすくいうと、過酸化水素など、血液中の有害物質や老廃物を分解し、除去してくれるのです。
そうした老廃物は、特に夏場のほうができやすく、昔から冷ややっこのような豆腐料理を夏場に好んで食べた日本人は、知らず知らずのうちに、体内の代謝(老廃物などが処理されること)の原理を感じていたのかもしれません。
エイズウイルスの増殖を抑制
また、さきほど出てきたBグループサポニンには、エイズのウイルス(細菌より微小な病原体)の増殖をおさえる作用のあることが確認され、胃ガンや大腸ガンを予防する作用についても、研究が進められています。
トリプシンが膵臓の働きを高め、消化力を増す
さらに、トリプシンインヒビターといって、膵臓から分泌されるトリプシンという消化酵素(消化を促す物質)の働きを阻害する物質の存在も、大豆が持つ大きな特質です。
トリプシンはもともと、たんぱく質の分解を促進する物質ですから、これを妨げるトリプシンインヒビターは有害物質のはずです。
しかし、研究によると、トリプシンインヒビターを摂取すると、膵臓の中のDNA(デオキシリボ核酸。遺伝子の本体)かふえ、細胞数がふえることがわかりました。
つまり、適量のトリプシンインヒビターは、かえって膵臓の働きを高め、消化力を増してくれるのです。
豆腐料理を食生活に!
こうして見てくると、大豆がいかに多くの薬効を持つかということがわかります。
そして、それを上手に加工した豆腐という食品のすばらしさも、あらためて実感されます。
健康増進とダイエットに役立てるためなら、ぜひ毎日一丁、豆腐を食べることをお勧めします。
それも、大豆の成分をあまり取り除いていない、昔ながらのものがより理想的です。