脳梗塞や心筋梗塞という病気は、いずれも動脈硬化に関連した病気です。
動脈硬化の原因の活性酸素を除去するのはビタミンEです。
ビタミンEを摂ると脳梗塞の予防にもなるのです。
今回は、動脈硬化の引き金になる活性酸素とLDLと悪玉コレステロールなどについて先端技術研究センター教授にお話しを伺いました。
動脈硬化とは
動脈硬化とは
その名前からもわかるように
動脈が硬くなったり
さらに動脈の内径(内側の直径)が狭くなってしまうことをいいます。
そのため、動脈硬化が進行すると
血液の流れが極端に制限されたり
場合によっては血流が途絶えてしまうことにもなりかねません。
こうしたことが
脳の動脈に起これば脳梗塞
心臓の筋肉を養う冠状動脈に起これば心筋梗塞となるのです。
心筋梗塞の対策についてはこちらもご覧ください
脳梗塞の対策についてはこちらもご覧ください
動脈硬化の原因は
この動脈硬化の犯人として、あまりにも有名になってしまったのはコレステロールです。
コレストロールと脂質
血液中に多くなりすぎたコンステロールなどの脂質が、動脈の血管壁に沈着するために動脈硬化が起こると考えられてきました。
動物実験などでも、血液中にコレステロールが多くなる(高コレステロール血症)と、動脈硬化が確認できると報告されています。
フリーラジカルと活性酸素
ところが最近は、動脈硬化の真の犯人は
フリーラジカル及び活性酸素であるといわれるようになってきました。
つまり、これらが引き金を引くことによって、動脈硬化が始まるのです。
私たちの体をはじめ、すべての物質は分子からできていて、その分子は原子核とその外側を回る電子からなっています。
電子は、一つの軌道に二つがペア(対)になっている状態が安定しています。
この電子がペアにならず、一つの軌道に一つの電子しか存在しない場合、不安定となり、反応性に富み、生体の分子を攻撃するようになります。
こうした攻撃性の強い分子をフリーラジカルといい、活性酸素の仲間もこれに属します。
動脈硬化の対策についてはこちらもご覧ください
では、活性酸素はどのようにして動脈硬化の引き金を引くのでしょうか。
LDLと悪玉コレステロールについて
コレステロールは
そのままの状態で血液中を移動しているわけではありません。
肝臓から各組織の細胞に運ばれるときにはLDL(低密度リポたんぱく)という、いわばコンテナーにつめられて、運ばれていきます。
このLDLは、血管壁にコレステロールをためるもので、俗に悪玉コレステロールと呼ばれているものです。
このLDLが活性酸素の攻撃を受けると、変性LDLとなります。
そして、体の中の異物を処理するための細胞であるマクロファージが、この変性LDLを際限なく食べ続け、泡沫細胞となって動脈の内膜にたまっていくのが、実は動脈硬化の始まりなのです。
脳動脈や、冠状動脈などの太い血管の内側(内膜)からせり出してくるコブをアテロームといいます。
このアテロームの中を調べてみると、コレステロールがつまっていたところから、それを運んだLDLが動脈硬化の悪玉にされてしまったわけです。
しかし、本当は変性LDLを食べすぎたマクロファージのなれの果てがそこにあったのです。
困ったことに
マクロファージ、内皮細胞(内膜のいちばん内側の細胞)、平滑筋細胞(内膜の次にある中膜の筋肉細胞)からも活性酸素が発生してきます。
そのため、生体は活性酸素に対して防御網をしいています。
スーパーオキシドジムスターゼ(SOD)などの活性酸素を除去する酵素、それに抗酸化剤と呼ばれる、さまざまな活性酸素を退治する物質が出動するといった具合です。
活性酸素を退治するビタミンEの威力
その抗酸化剤の一つとして
動脈硬化との関連でとくに注目されているのがビタミンEです。
このビタミンEの効果についてはこちらもご覧ください
ビタミンEは、もともと不妊症に関連のあるビタミンとして発見されたものですが、その後の研究で、強力な活性酸素を退治する抗酸化作用を持つことがわかってきました。
私たちは食物などから
このビタミンEを摂取して、活性酸素から身を守るのに利用していたのです。
米国のハーバード大学が10年にわたって、32万人以上の人を対象にした疫学調査の結果を1992年に発表しました。
それによるとビタミンEを長期にたくさんとり続けている人は、とり続けていない人に比べて、明らかに心筋梗塞になる確率が低いというデータが出ています。
このことから
ビタミンEが動脈硬化を予防して心筋梗塞だけではなく、脳梗塞を防ぐのにも役立つのではないかと考えられています。
WELQ(ココロとカラダの教科書)さんのサイト若返り成分でキレイを保つ♡「ビタミンE」が豊富な食品まとめ
簡単!栄養andカロリー計算さんのサイトビタミンEの多い食品と、食品のビタミンEの含有量一覧表
にタメになることが記載されていますのでご紹介します。
コメント