歯と口の健康は、私たちの生活の基盤となるもの。
正しい歯みがきで、むし歯や歯周病を予防しましょう。
その第一歩となるのは「歯ブラシ選び」です。
歯ブラシの要(かなめ)、ヘッド(毛が付いた部分)を選ぶポイントを紹介します。
今回は、虫歯の原因と治療!歯ブラシの選び方や抜歯・歯の矯正についてお話しします。
歯ブラシ選びのポイント
松山市歯科医師会の外城先生より
歯ブラシは、口の中で動かしやすく、隅々まで届くものを選ぶとよいでしょう。
毎日の歯みがき習慣は大切です。
それと併せて、きちんと歯みがきができているか歯科医院でチェックしましょう。
定期的な健診では、歯科医師や歯科衛生士が一人一人、歯ブラシのチェックやアドバイス、歯みがき指導を行います。
むし歯や歯周病の早期発見にもつながります。
毛のかたさ
歯ブラシの毛のかたさは、「ふつう」「やわらかめ」「かため」の3種類です。
歯や歯ぐきの状態などによって、選んでください。
ヘッドの大きさ
ヘッドが大きい歯ブラシは、奥歯や歯の裏側に届きにくく、小さいものは、歯みがきの効率が悪くなります。
まずは、口の大きさや歯並びに合ったサイズを選びましょう。
使い分けするのもいいですね。
毛先の形
上のイラストは、歯ブラシの主な毛先の形です。
一般的なのは【フラットカット】です。
歯の表面にまんべんなく毛先が当たります。
【ラウンドカット】は、歯肉を傷つけないよう毛先が丸くカットされています。
反対に毛先が細くなっているのが【先端極細加工】です。
歯間や歯周ポケットにも届きやすい形状です。さらに、毛の長さを変えて、これらを組み合わせたものもあります。
虫歯の原因と治療
むし歯の成り立ちの中心は、「歯の表面にむし歯を起こすバイ菌がついて、糖分を摂取すると、バイ菌が糖分を分解して酸を作り、歯の表面が溶け、やがて穴があく」というように説明されていると思います。
現在では、他の因子として、唾液・食事・フッ化物なども影響があり、もっと大きな視点から考えると、その人の知識・考え方・行動様式なども影響するといわれています。
次に、むし歯の治療についてです。
通常、病気を治すには原因を取り除きます。
ですから、むし歯の表面についたバイ菌をこまめに取り除くことが「むし歯という病気の治療」です。
虫歯と歯周病についてはこちらもご覧ください
これがうまく奏功すれば、進行が止まります。
ただし、むし歯ができた場所や状況によっては難しい場合もあります。
「病気の治療」としてはここまでで終わりです。
あとは必要に応じて、人工的な材料で形を回復するようにします。
皆さんのイメージするむし歯の治療と一致していましたか?
より良い結果を得るためには、削ったり詰めたりだけでなく、患者さん自身による「病気の治療」が必要です。
このことを理解しないまま、削って詰めるだけの治療を同じ歯に繰り返し受けている人もいるかもしれません。
その結果、治すために真面目に通院しているのにどんどん抜歯に近づいていることにお気付きでしょうか。
正確な診査・診断を受け、病気を自分のことと認識して、積極的に治療に参加してみませんか?
今までの歯科医院に対するイメージや、あなたの通院の仕方が変わるかもしれませんよ。
歯の矯正
「子どもの矯正治療っていつ始めたらいいの?」という質問に対して、その判断は極めて難しく、さまざまな要素を含んでいることから、一般論として簡単にお答えすることはできません。
では、「早く始めるほどいいの?」という質問はどうでしょうか。
「早く始めれば始めるほどいい」という考え方は、早期発見、早期治療の考え方と相通じるものがあり、受け入れやすいものです。
しかし、歯並びやかみ合わせの問題は、遺伝的、先天的に生じる割合が非常に高く、また成長とともに生まれ持った素因が現れてくることが多くあります。
さらには永久歯に生え変わっていくという発達、発育の過程を伴うことから、早く始めるだけでは対応することができずに、かえって治療が長期化する場合があります。
もちろん、早期の矯正治療が有効な患者さんがいることも事実ですが、有効性が低い、あるいは有効性がない患者さんもいます。
例えば、指しゃぶりなどのように、歯並びやかみ合わせを悪くしている明らかな原因が認められる場合は、その原因を除去し、本来持っている正常な発達、発育を促すこともできるかもしれません。
実際には、必要十分な検査を行い、資料をそろえた上で、現状の把握、将来的な成長の予測をします。
成長後の好ましい永久歯の歯並びやかみ合わせを目標にして、現時点で必要なこと、可能なこと、その内容と期間、費用、治療そのもののリスク等を十分に検討した上で、いつ始めるのがいいのかを歯科医師との相談の話の中で決めていくことをおすすめします。
歯を抜いた後はどうなるのか?
皆さんは、定期的に歯医者さんに通っていますか?
「痛くもないから、しばらく通ってないよ」という人が多数ではないでしょうか?
歯が痛くなったので久しぶりに歯医者さんに行ってみると「抜歯が必要です」と言われることがあるかもしれません。
抜歯になる原因は、重度の歯周病や大きなむし歯など、人によりさまざまです。
残念ながら抜歯になった場合には、歯医者さんからしっかりと説明を受け同意の上、抜歯になります。
抜歯後は、もともと歯があった部分に何らかの処置が必要です。
治療方針として、入れ歯・ブリッジ・インプラントの3つが考えられます。
「どの治療がいいの?」と思われますが、3つともそれぞれに利点、欠点があります。
入れ歯の利点は
保険診療が可能で、歯を抜いた両隣の歯を少し削るだけで作れるということです。
欠点としては
入れ歯が出来上がると毎日毎食後、自分で付け外しをして入れ歯を洗い、清潔にしなければならない手間があるということでしょうか。
ブリッジは
両隣の歯を用いて抜いた部分を含めてかぶせるため、入れ歯に比べると元々の自分の歯があったころに近い感覚を得られます。
しかし、両隣の歯を小さく削る必要があるため、どうしても歯を削ることに抵抗がある人には行うことができません。
インプラントは
両隣の歯を削らず歯を抜いた部分だけを処置できますが、全て自費診療となるため高額な費用が必要になります。
どの治療も利点、欠点があり万能ではありません。
かかりつけの歯医者さんとよく相談して納得した上で、良い治療を受けていただきたいと思います。
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