みなさんは、ふだんの生活のなかで、ふとため息をついたり、「疲れた」などと独り言をいったりするようなことはないでしょうか?
そのような覚えがある人は、漢方でいう「腎虚(じんきょ)」の状態にあると考えられます。
そして現代人には、この腎虚(じんきょ)の状態にある人がとても多いのです。
からだ守り隊(akap)です。
耳鳴りに効く食べ物「黒ごま」は、耳鳴りやめまいを撃退し精力も復活するというのです。
その効果について薬局長にお話しを伺いました。
■当記事の内容はこちら
2.耳鳴りの原因は加齢・老化と虚熱
3.脳の老化やボケを防ぎめまいを治す「黒ゴマ」
腎虚を回復させ生命力そのものに働きかける「黒ゴマ」
漢方でいう「腎」とは
腎臓を含めた副腎、膀胱などの全身の機能をつかさどる働きをさしています。
中国では、古くから腎は人間の生命力そのものであり、健康に深い関係があると考えられています。
その重要性は
「腎が髄(脳)を生じる」や「腎は気を収める」「腰は腎の庭」といったいい伝えがあることからもわかります。
「腎虚(じんきょ)」とは
腎が弱って体力や気力、精力がおとろえた状態のことで生殖器はもちろん、髪の毛や骨、耳などにさまざまな症状が現れます。
具体的には
①生殖機能の低下
②頻尿(頻繁に排尿したくなること)や多尿、尿失禁など水分代謝の異常
③白髪や抜け毛、ハゲなど毛髪の異常
④耳鳴りや難聴など耳の異常
⑤骨粗霧症(骨の中がすが入ったように空洞状になる病気)や歯周病(いわゆる歯槽膿漏)など骨や歯、歯肉の異常
です。
なかでも黒ゴマは
「腎に入って肝を補い、五臓を潤す」というように、腎と深い関係があります。
また、漢方では五臓をその働きや色から五色(青、赤、黄、自、黒)に分けており、腎は黒に分類され、黒い腎には黒いゴマが効くと考えられ、利用されてきました。
さらに、中国語でビタミンのことを「維生素」と書き表しますが、黒ゴマには維生素E、つまリビタミンEが多く含まれています。
ビタミンEは別名「若返りのビタミン」ともいわれるように、いきいきとした体の源となります。
このように薬効豊富な黒ゴマを食生活に積極的にとり入れて、腎の働きを高めれば、さまざまな症状の改善に役立てることができます。
耳鳴りの原因は加齢・老化と虚熱
カゼをひいたときなどに
一時的な耳鳴りに悩まされることがあります。
こういう耳鳴りは、体調が良くなるとともに治るのでそれほど問題ありません。
困るのは慢性的な耳鳴りです。
とくに、加齢とともに起こる耳鳴りは、現代医学では決定的な治療法もないだけに、悩みのタネになりやすいものです。
耳鳴りの解消には腎・肝を元気づける「黒ゴマ」を活用
こうした耳鳴りが気になる人は、日ごろの食生活で、耳鳴りの改善に役立つ工夫をするとよいでしょう。
その一つとしておすすめしたいのが
黒ゴマを積極的に活用することです。
黒ゴマは
漢方でいう五臓「肝」「心」「牌」「肺」「腎」のうちの肝、牌、肺と腎を滋養する食品として知られおり、五臓をうるおして腎、肝を元気づけます。
白ゴマにも類似の働きがありますが、漢方では、黒い色の食品は腎に入りやすく、腎と肝を養うとされることから、黒ゴマのほうがより効果的としています。
そのため、昔から薬用に使われるのはほとんど黒ゴマなのです。
「腎」が衰えると足腰が弱り、白髪が増え耳鳴りが起こる
私たちの体にある五臓は
それぞれに重要な役割をになっていますが、とくに腎は重要な器官(機能)です。
漢方では
命の火、つまり、生きていくためのエネルギー(気・熱) の根本(腎陽:じんよう)と、体液の根本(腎陰:じんいん)が腎にあると考えます。
人間は40歳を過ぎるころから
個人差はあれ
誰しも腎の力がおとろえていきます。
その結果、足腰のおとろえや白髪などとともに耳鳴りが起こってくるのです。
白髪の対策についてはこちらもご覧ください。
また漢方では、腎の力がおとろえると脳が空虚になり、耳鳴りが起こるとも考えています。
そして、腎のおとろえがさらに進行すると、熱が生じ、耳鳴りも進行するとしています。
耳鳴りについてはこちらもご覧ください。
この場合の熱は
体力があって全身がカーッとするような熱ではなく、漢方で「虚熱」と呼ばれるものです。
具体的には、手のひらや足の裏だけがほてったり、お年寄りや体力の乏しい人のほおだけがポッと赤くなったりするタイプの熱です。
こういう症状がある人は、腎の力が弱まっているのです。
虚熱による耳鳴り・足腰の衰え・白髪・頻尿は「黒ゴマ」が効果的
このような虚熱の症状がある人の
・耳鳴り
・加齢とともに足腰のおとろえ
・白髪
・夜間頻尿(頻繁に排尿したくなること)
・冷えとともに耳鳴り
が起こってきたような場合には、とくに黒ゴマが効果を発揮します。
ごまの効果についてはこちらもご覧ください。
ちなみに、腎を元気づける食品としては
このほかにもクルミや栗などの種子類がありますが、なんといっても日ごろ手軽にとれて、効果的に腎を強化できる食品の代表は黒ゴマです。
黒ゴマを積極的にとって腎を元気づけてやれば、耳鳴りが起こりにくくなってきます。
脳の老化やボケを防ぎめまいを治す「黒ゴマ」
めまいを起こす病気には
さまざまなものがあります。
耳の異常から低血圧、脳腫瘍まで考えられますので、気になるめまいがあったら、必ず病院で診察を受けるようにしてください。
それでも、なんの異常も認められないというのであれば、腎がおとろえていることが考えられます。
とくに脳の老化が進みやすいお年寄りの場合、そういうことが起こったとしても不思議ではありません。
脳の老化を予防してボケを防ぐ
という意味でも、黒ゴマを利用するとよいでしょう。
ボケや老化対策についてはこちらもご覧ください。
また、腎は髄を生じ、髄は骨を養います。お年寄りの骨粗鬆症にも黒ゴマが効果的です。
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