足の指の間がジクジクしたら、まず「水虫だ」と思っていませんか?
外来には、水虫になったと受診される患者さんがたくさんいます。
足指の間のジクジクは水虫とは限らない!接触皮膚炎・細菌感染・汗疱・過度な刺激や靴のムレが原因の可能性があります。
水虫の症状が出ても原因は水虫以外も色々ある!
例えば
「水虫になったので、市販の水虫の薬を塗りましたが、よくなりません」
「毎日ごしごし洗って、消毒もしていたのに、よくなりません」
「じゃあ、皮をちょっと取って、検査してみますね」
「水虫はいませんね~」
などは、よくある会話です。
この場合考えられるのは
・接触皮膚炎(かぶれ)
・細菌感染(ばい菌)
・汗疱(かんぼう)
・過度な刺激(こすり過ぎ、洗い過ぎ)
・靴によるムレ
などです。
接触皮膚炎(かぶれ)
接触皮膚炎(かぶれ)は
市販の水虫薬や消毒でおこることがあります。
市販の水虫薬には、カビに効く成分以外に、局所麻酔薬や抗ヒスタミン薬など色々なものが含まれています。
パッチテストという検査を行うと、何にかぶれているかわかります。
患者さんによっては、1種類だけでなく、複数の成分にかぶれていることもあります。
皮膚科を受診されるときは、使っていた塗り薬や消毒薬を持っていくといいでしょう。
また、一度かぶれの原因になったものは、皮膚がよくなっても二度と使えません。
細菌感染
細菌感染は水虫の薬では治りません。
抗生物質が必要になります。
時に水虫をこじらせて、細菌感染を合併し足が腫れ上がってしまうこともあります。
汗疱
汗疱は汗によるムレなどがきっかけで
皮膚がふやけたり、小さい水ぶくれができたり、皮がむけるものです。
通常かゆみはありません。子どもにもよく見られます。
放置してもいいですし、場合によっては保湿剤などを処方することもあります。
毎日1日中、革靴や長靴、安全靴を履いている方は、靴によるムレに気をつけましよう。
同じ靴を毎日履かずに2足用意して交互に履くようにしましょう。
また、靴を乾燥させることも大事です。
靴を脱いだら、指の間を広げて通気させましょう。
入浴時にいつも使っている石けんなどで指の間も優しく洗って(ごしごし洗わない)、しつかり水分をふき取ることが大事です。
水虫を治す方法と予防とは
最後に水虫のお話を。
水虫の治療に消毒薬は必要ありません。
この場合は抗真菌薬による治療が必要です。
ジクジクした指の間だけでなく、両足全体に毎日塗ることが大事です。
つるつるになったと思っても、もう1~2カ月は続けましょう。
温泉やプールなど、裸足でいろんな人が歩くようなところに行った時は、家に帰ってから、もう一度足を洗っておくと予防になります。
水虫を治す方法についてはこちらもご覧ください
足指のジクジクの原因は水虫だけではありません。
原因によって、治療法も変わってきます。
治らないジクジクは皮膚科の専門医の診察を受けましょう。
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