体に良いとされている「ごま」を食生活に取り入れていますか?
私は、比較的良く食べています。
ごまは、はるか昔からインドやエジプト、中国、それに日本などで、健康によい食物とされてきました。
その意味では、評判の非常にいい食品です。
今回は、そんな「ごま」の成分が抗癌・免疫・抗酸化作用があり動脈硬化や二日酔いを予防する!そんなお話しです。
「ごま」の実力とは
さて、「ごま」のその実力はどうでしょうか?
人間の世界では、評判は高くても、実際の実力は大したことがない、という人がけっこういるものです。(ここだけの話・・・)
やはり「ごま」であっても、「名実ともに備わる」というのはむずかしいのでしょうか?
ところが、これまでのさまざまな研究から、ごまに関して驚くべき結果が出ています。
ごまは私たちが想像していた以上に高い実力を備えていたのです。
たとえば、ごま油に含まれるリグナン類と呼ばれる物質の一つであるセサミンという成分には、私たちのこれまでの実験だけでも次の6つのすぐれた作用があることがわかっています。
① コレステロール値を低下させ、動脈硬化を予防する
②アルコールの分解を早めて、二日酔いを防止する作用
③アレルギーを抑える作用
④乳ガンの発症を抑える作用
⑤体内での抗酸化作用(さまざまな病気の原因となる酸化を抑える働き)
⑥免疫賦活作用(めんえきふかつさよう)(細菌、ウイルス、ガン細胞などから体を守る機構を活発にする作用)
ごまとコレステロールの関係とは
ここでは、このうち、①と②の身近な効果について、簡単に説明してみましょう。
ごまの成分であるセサミンに非常に興味深い作用があることが発見されました。
まず、セサミンを摂取すると、血液中のコレステロール値が下がることがわかったのです。
それは次の二つの作用の結果からわかりました。
一つは、コレステロールの吸収をセサミンが抑えるということです。
実は、コレステロール値は、食物からとったコレステロールによって上がるというより、肝臓で合成されたコレステロールの影響を大きく受けます。
したがって、コンステロールの吸収が抑制されると、肝臓でのコレステロール合成が高まり、結果的にはコレステロール値に大きな変化は出ないのです。
それでは、セサミンにより、コレステロールの吸収が抑えられると、肝臓でのコレステロール合成はどうなるのでしょうか。
なんと、肝臓でのコレステロール合成もいっしょに抑えられていたのです。だからこそ、セサミンでコレステロール値がよく下がるわけです。
コレステロールの吸収とその合成を抑えるという成分は、いまのところ、このセサミン以外には知られていません。(私が調べた限りですが・・・)
アルコール分解の仕組みと「ごま」の効果
また、セサミンのアルコール分解を早める作用も、興味深いものです。
この作用について説明するために、簡単にアルコールの分解(代謝)について説明しておきましょう。
アルコールは肝臓に運ばれ、まずアルコール脱水素酵素(だつすいそこうそ)によりアセトアルデヒドという物質に分解されます。
これは非常に毒性の強い物質で、自律神経(意志とは無関係に内臓や血管の働きを支配している神経)を過度に刺激し、末梢血管(まっしょうけっかん)を拡張する働きをします。
その結果、顔面紅潮、頭痛、吐きけなどの不快症状、いわゆる「悪酔い」を引き起こす犯人ともなります。
したがって、この有害物質はどんどん分解しなければなりません。
そのため、アルコール分解の第二段階として、肝細胞の中にあるアセトアルデヒド脱水素酵素がアセトアルデヒドを無害な酢酸(さくさん)へと変えていきます。
ところが、生まれつきこの酵素の一部が欠けている人がいて、そういう人たちはアルコールの分解が遅く、悪酔いもしやすくなります。
これがいわゆる「酒が体に合わない」「酒に弱い」人たちなのです。
そこで、面白い研究をされています。
酒に弱い人たちにあらかじめセサミンを1日100mg飲ませておいて、それからアルコールを飲んでもらい、これらの人たちはアルコール分解が早くできませんから、顔面が紅潮してきます。
その紅潮して高くなった皮膚の温度を測ったところ、同じ酒に弱い人でも、セサミンを飲んでいた人は、飲まなかった人より、皮膚の温度の下がる時間がはるかに早かったのです。
つまり、セサミンにより、それだけアルコールの分解が早まったと考えられるのです。
セサミンを与えておくと、アルコール分解が早まって、血液中のアルコール濃度が早く低下することもわかっていました。
最初にお話ししたように、セサミンにはこのほかに四つのすぐれた作用があります。
研究を続けると、さらにさまざまな作用が見つかると思われます。
食生活に「ごま」を活用して毎日の生活を充実させていきましょう!