脳梗塞の前兆の症状は知っていますか?
頭痛や吐き気、めまいなどの症状がある人は多いのですが、その時に一旦止まったからといって油断してはいけません。
今回は、激しいめまいは脳梗塞の症状かも!
その時血圧の上昇は危険信号!として激しいめまいに襲われて脳の検査をしたら小さな脳梗塞が見つかった60歳主婦の体験を紹介します。
激しいめまいと高血圧で気になる症状
「おい、この脳の検査に行ってみないか」
そう主人がいったのは、5年ほど前でした。
主人がこんな提案をしたのには、わけがあります。
私は、18年ほど前、激しいめまいに襲われました。
いきなリミキサー車に入れられたような感じになり、その場で倒れて吐き、失禁したのです。
意識はしっかりしていて、安静にしているうちに気分がよくなりました。
近くの病院へ行くと、高血圧によるものという診断でした。
前から血圧は高めでしたが、このときは神経的に疲れていたこともあり、一時的に200ミリを超えたようです。その後は再発しませんでしたが、不安でした。
〇前兆は吐き気や頭痛・めまいなど
じつは、私の父は56歳のときに脳いっ血で他界しました。
亡くなる前、吐きけや頭痛を訴えていたのを覚えています。
それだけに、私のめまいや嘔吐も、もしかしたら脳の病気と関係があるのではないかという疑いが、頭の片隅にあったのです。
この意味では、主人も似たような身の上です。
主人の父は脳いっ血、二人の兄弟はクモ膜下出血を起こしているからです。
そのため、主人は機会があれば、夫婦で脳の検査を受けたいと考えていたのでしょう。
脳梗塞が発見!脳ドックの必要性
そんなとき、たまたまテレビで、千葉脳神経外科病院長の脳ドックの紹介をしているのを見ました。
主人は、脳ドックのことが書いてある雑誌も入手し、一緒に受けようと誘ってくれたのです。
さっそく夫婦で申し込み、脳ドックを受けました。
幸い、主人はなんの異常も発見されませんでした。
ところが、私のほうは、すでに四ミリくらいの脳梗塞が二つあることがわかりました。
ショックでしたが、この脳梗塞はまだ小さいので、治療すれば発作などは防げると聞き、少しホッとしました。
治療としては、血液を固まりにくくする薬をもらって飲み始めました。
また、私は元来、塩辛いものや甘いものが好きですが、これらは摂取量が半分くらいになるよう心がけました。
脂肪分もへらす努力をしました。
以来、この治療と食生活を続けながら、毎年主人と脳ドックを受けています。
昨年末の検査では、二つの脳梗塞の一方が小さくなっているといわれました。
そういわれたときは、うれしくてたまりませんでした。
がんばれば、もうひとつも小さくなるかもしれないと、いまは希望をもっています。
主人に、ずっと異常が見つからないのもうれしいことです。
今後も、毎年の脳ドックは、夫婦で受け続けるつもりです。
無症候性脳梗塞が見つかる人の特徴
高血圧の方に、無症候性脳梗塞がよく見つかります。
無症候性脳梗塞は、年を取るにつれて、発見率が増加しますが、加齢とともに重要なもう一つの危険因子は高血圧なのです。
千葉脳神経外科の脳ドックの受診者3000名のデータもこのことをはっきりと示唆しています。
3000名のうち、血圧が正常な人は1976名いましたが、この中から無症候性脳梗塞が見つかったのは31% (617名)でした。
ところが、高血圧の人387名からは、無症候性脳梗塞が67% (191名)、
高血圧で降圧剤を用いている人737人からも63% (461名)も見つかっています。
脳梗塞についてはこちらもご覧ください
参考記事:>元気な中高年に警告!症状のない隠れ脳梗塞が見つかる例が多い!
加齢+高血圧=無症候性脳梗塞の方程式
つまり、加齢に高血圧が加わると、無症候性脳梗塞がより出現しやすくなるのです。
このことは、無症候性脳梗塞が単なる老化現象でないことがわかるでしよう。
したがって、無症候性脳梗塞の予防は、血圧の管理をまず念頭に置かなければなりません。
降圧剤を服用している人は、きちんと飲み続けてください。
塩分摂取の制限や適度な運動など、食生活を含めた生活習慣を改善していくことも大切です。
脳神経外科では無症候性脳梗塞の患者さんに抗血小板剤(血が固まるのを抑制する薬)を用いることがあります。
これは、無症候性脳梗塞が、将来、本格的な脳梗塞になるのを積極的に防ぐためです。
私たちの最短1年4ヵ月から最長4年の追跡調査では、無症候性脳梗塞を持つ人で、抗血小板剤(塩酸チクロビジン)を投与した人49名からは、本格的な脳梗塞が起こった人は一人も出ませんでした。
ところが、投与しなかった人400名からは8名の脳梗塞が起きているのです。
無症候性脳梗塞に抗血小板剤を用いることについては、現在まだ定まった見解はありません。
医師によって考え方が違います。
しかし、これまでの私たちの調査(追跡調査)から臨床医が取り組むより積極的な予防として、一つの選択肢として念頭に入れておきましょう。
でもまずは、食生活の見直しと運動を心がけましょう。
高血圧予防についてはこちらもご覧ください
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